確かな技術と多様な経験

    豊かな社会を目指して!

                     調停委員6年の経験

      調停委員になる

婚や相続の相談を受け、対応の最後に家事調停を勧めてきました。ある時、調停委員の経験がない者が、調停を勧めることに疑問を持ちました。早速、調停委員の試験を受け、65歳で調停委員となりました。

 利用者の為の調停委員

65歳で任命を受けた私の任期は最長で6年でしたので、早く先輩調停委員と同一のレベルに達し、更に利用者の為の一流の調停委員になろうと決意し、自己研鑽に励みました。

最高裁図書館、関係書籍、関連新聞、判例・審判、、研修会、日弁連シンポジュウム等々を利用して研鑽をつみました。

 親子と父母の関係は継続

離婚をお考えの方には、次の三つの関係を説明します。

1、夫婦の関係

  離婚で消滅します。

2、親子の関係

  離婚で消滅することはありません。

3、父母の関係

  子の福祉の為に父・母が協働する「父

  母の関係」は継続します。

親子の絆、面会交流が第一

子の健全な発達には両親からの愛情が必要、面会交流によって子は非同居親からの愛情と「親子の絆」を確認することが出来ます。

面会交流の実現を図ります。

  記憶に残る講演と書籍

1、調停委員のこころがけ

  (平成22年、山名学所長講演)

 ①「法律知識の習得」

 ②「傾聴・助言等の調停技術の習         得」

 ③「信頼を得るための心懸け」

  信頼を得るためには、「公平・公

  正・冷静・客観・誠実」

2、書籍等

 ① 家事審判法実務講義案

 ② 遺産分割手続き運営の手引

 ③ 遺産分割事件の処理をめぐる諸問題

 ④ 離婚と子ども

 ⑤ ステップファミリー

 ⑥ リーガルカウンセリングの技法

  ⑦ 対話による家庭紛争の克服

  ⑧ 家事事件における子どもの地位 

3、絵本、マンガ

 ①「ココ、きみのせいじゃない」

 ②「パパ どこにいるの?」

 ③ 「おうちがふたつ」

 ④ 「あしたてんきにな~れ」

 ⑤ 「恐竜の離婚」

 ⑥ 「わが家の母はビョーキです」マンガ

4、朝日新聞 S61.6.17~7.19

 「アメリカの子どもたちは証言す

 る、離婚戦争の谷間で」下村満子

    研修会講師

次の講師を務めました。

1、〇〇調停協会主催の研修

 「家事事件手続法の運用上の諸問題」

 第1回

 「事件名にこだわらない調停

  不立の取扱」

 第2回

 「申立の変更があった場合の取扱

   (いずれも2013年) 

2、川越ブロック行政相談研究協議会

 「調停制度について」(2014年) 

3、越谷人権擁護委員協議会研修 

 「家事調停概要ー離婚と子どもー」

  (2016年)

 

    記憶に残る調停

1、統合失調症の母親

統合失調症の母親による育児は危険との理由で、子と引き離された母親から、子の育児に係わりたい旨の要望があった。しかし、調停では要望を叶えることができなかった。 

調停は個別事情を考慮し、解決を図るようにしたい。この件では、近くに住む義父母の育児協力の可能性があった。統合失調症の母親であっても、一人で育児するのではなく、誰かの育児協力があれば、症状に応じた母親の育児は可能と言える。義父母の理解と育児協力を求める(調整する)ことが必要であった。

2、1億円の相続分の放棄

2筆の土地、「土地1」(評価額、概ね2億円)と「土地2」(評価額、同1億円)が遺産。「イ、ロ、ハ」の3人が相続人。「土地2」を「イ」が希望し、「土地1」を希望する「ロ」は、約1億円の代償金を準備したと言う。「ハ」は、幼い時に養子に出ていた。「養親に幸福に育てられてきたので実親の遺産、相続分は放棄する」旨発言(A発言)。「ハ」の相続分の放棄を受け、「ロ」は代償金約5千万円を「イ」に払うと提案、「イ」は「評価は他人が計算した価格、自分にとっては「土地2」の方に価値がある。だから代償金は要らない。」旨発言(B発言)。約1時間で調停終了。

A)(B)の発言が印象的だった。

 3、 養子解消後の父子交流

女性は子連れ再婚、子どもは母親の婚姻相手と養子縁組した。幼かった子は養父を実の親と思い育つ。しかし、再婚も破綻。離婚を機に養子縁組は解消しても、「父」と「子」は、交流を希望した。ところが「離縁一時金」についての私の呟きから代理人解任に発展し、その影響もあって、養子縁組解消後の「父」と「子」の交流は実現しなかった。